[113] 2000年 8月12日(土)
「ホンモノは誰だ」
かなり昔、テレビ番組で「ホンモノは誰だ」というのをやっていた。詳しくは覚えていないが、1つのテーマで4人くらい登場し、その中からホンモノを当てるというものだったような気がする。
正解は、ホンモノが1人だけ立ち上がるのだが、4人がそれぞれ立ち上がろうとするのが思わせぶりだった。
今日、先週訪れた中古カメラ店「明光堂」にてカメラを1台買ってみた。
実家へ持って帰る土産のつもりで、安価な全自動のカメラ「ミノルタα-7000」を選んだ。標準ズームレンズ付きで1万2千円だった。
店頭には3人のオヤジと1人のオバチャンがいた。オバチャンは奥のほうで接客中で、我輩は3人のオヤジのほうに声を掛けた。
「見せてもらってもいいですか?」
オヤジたちは、何となくこちらに近付いてきた。一番近くまで来たオヤジに向かって、カメラを指さした。2〜3回指さしたと思う。しかし、ショーケースを開けて、「どれですか?」などと訊いてきやがった。さっきから指さしているのを見ていなかったのか。
「こちらでご覧下さい」と、カメラを置くためのゴムシートに乗せた。そういうのはちゃんとあるんだな。
αー7000をチェックしはじめたが、ニコンハウスでのような、気さくな世間話などは全く無い。オヤジたちは再びそれぞれの持ち場に散開し、主たるオヤジが誰なのか判らなくなった。
「これ、単4電池ですか?」
電池ホルダーの形状から既に判っていたが、誰に訊いていいのか分からないので何か質問して反応を見てみようと思った。
オヤジたちは顔を見合わせ、なかなか答えなかったが、そのうち左端のオヤジがやっと「そうです。」と言った。こいつがホンモノなのか。
「説明書はあるんですか?」
やはり先程答えたオヤジが、プライスタグの記述を見ながら答えた。
「これは・・・付いてないですね。」
カメラには特に不具合も無く、購入することに決めた。
オヤジはおもむろにその場を離れ、しばらく帰ってこない。何なのか分からなかったが、とにかく待つしかない。数分して戻ってきたオヤジの手には、古いカメラケースがあった。そうか、それを探していたのか。
我輩にとって今後も行きたくなるような雰囲気ではなかったが、レンズシャッター機(特にハーフサイズ)が充実しており、そういうものが欲しくなればまた行きたくなるかも知れぬ。
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