2000/04/05
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表紙

1.主旨と説明
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カメラ雑文

[747] 2012年03月01日(木)
「マイクロフォーサーズでシステムを拡充(超望遠レンズ編)」


マイクロフォーサーズカメラは、フルサイズやAPSサイズのデジタルカメラよりもイメージセンサーの面積が小さいため、望遠には有利である。

もちろん「望遠に有利」だとは言っても、マイクロフォーサーズ用レンズのラインナップの範囲でならば、有利も不利も無い。実際、マイクロフォーサーズには300mm(フルサイズ換算600mm)までしかレンズが用意されていない。

しかしマウントアダプターを介してフルサイズやAPSサイズ用の交換レンズを使った場合、イメージセンサーの面積が小さい分トリミング効果によって画角が狭くなる。
マイクロフォーサーズカメラにフルサイズ用交換レンズを装着した場合、例えば28mmレンズでは、2倍の56mm相当の画角となる。広角レンズが標準レンズになってしまうのだ。だから、フルサイズ用交換レンズで広角として使いたい場合は、さらに広角なレンズを選ぶしか無い。

そういうわけで、マウントアダプターを使ってフルサイズ用交換レンズを使うならば、望遠レンズを活用する方向が合理的と言える。

我輩が所有する交換レンズの中で最も長焦点のものは、NikonFマウント用の「レフレックスニッコール500mmF8」である。
このレンズは去年、カワセミ撮影で「Nikon D700」に装着して使った(参考:雑文721雑文722)。もしこのレンズをマイクロフォーサーズカメラで使うならば、フルサイズ換算で1000mm相当の超望遠撮影が可能となる。そうなれば、カワセミを大きく写すのに有利となろう。

当初は、マイクロフォーサーズ用300mm望遠レンズ(最大300mmのズームレンズ)を購入するかを迷っていた。これならばAF可能で面倒が無い。
しかし費用捻出の問題があり、当面はマウントアダプターを利用してレフレックス500mmを活用してみようと考えた。MFではあるが、ピント位置を固定しておくほうが却って良いかも知れない。

そこで購入したのが、Nikon-Gレンズ対応のマウントアダプター。「フォトショップサイトウ」の4,800円のものを注文した。Gレンズではないレフレックスレンズだけで使うならばGレンズ対応でなくとも良いが、70-300mm望遠ズームがGタイプなのでそれを使う可能性も考えてGレンズ対応を選んだ。

<Nikon-Gレンズ対応マウントアダプター>
Nikon-Gレンズ対応マウントアダプター

マウントアダプターが届いてすぐ、レフレックス500mmを装着してみた。
レンズに比べてカメラがやけに小さい。まるでNikonの顕微鏡撮影用フィルムユニットのような雰囲気。これでフルサイズ換算1000mmの超望遠撮影が出来るわけだが、カワセミを撮るとどんな感じになるだろう。

<フレックス500mmを装着>
フレックス500mmを装着

ピント合わせはMFとなるので、「LUMIX DMC-GF3」の場合、背面液晶に映るライブビュー映像を見ながらフォーカスリングを回して調整することになる。
もしマイクロフォーサーズ用のレンズであれば、MF時にフォーカスリングを回すと自動的に画面が拡大されてピントの山を見易くしてくれるが、そうでない場合は自動的に拡大してくれないので、手動で拡大表示に切り替える必要がある。

「LUMIX DMC-GF1」の場合、背面ダイヤルを押し込むだけで拡大表示となるのだが、「LUMIX DMC-GF3」ではセレクターボタンを左に押した後、続いて拡大させたい部分を画面タッチしなければならない。
慣れれば問題無いのだろうが、2アクション必要なのは少々煩わしい。

試しに手持ちでピント合わせしてみたが、超望遠のところを更に画面を拡大しているものだから画面の揺れが激しく、ピント合わせは至難の業。まあ三脚で固定していれば何とかなろう。

今回はテスト撮影として、水元公園のカワセミを撮ってみようと思う。
ここのカワセミはこれまで「PNTAX K-x」、「Nikon D700」、「Nikon F3」で撮ってきた対象なので、それらと比較するには都合が良い。
・・・とは言っても、そもそも超望遠撮影はカワセミ撮影が主目的であるから、テスト撮影と言うよりも本番撮影と言っても良いかも知れない。

週末、豚児を誘って水元公園へ出かけた。
少々曇っていたのが残念だが、天気は仕方無い。

公園内にあるカワセミ観察舎「かわせみの里」にていつものポイントに三脚を据え、カメラとレンズをセットした。MF時の拡大のやり易さを考えると、ここは「GF1」で使ってみることにする。
カワセミがとまる枝は大体決まっているので、あらかじめそこにピントを合わせておいた(置きピン)。
それにしても、拡大表示してピントを合わせているのに、微妙にピントの芯が来ていないように見えるのが不安。しかしフォーカスリングを往復させてみると、やはり前後のアウトフォーカスの間にあることは間違い無い。まあ、パソコンで表示すればピントは合っているのだろう。

試しにシャッターを切ってみたところ、微妙にブレていた。
「しまった」と思った。
こういう場合はケーブルレリーズやリモコンスイッチを使うべきだが、「GF1」のリモコンスイッチは手元に無い。一応、サードパーティ製の安物を所有してはいるのだが、肝心な時に手元に無ければ使えない。仕方が無いので、2秒セルフタイマーで急場をしのぐこととする。

しかしそれでも微妙にブレがあるように思えるので、ここは感度を400まで上げることにする。ノイズがかなり増えるだろうが、曇りの条件下なのでこのままではブレが頻発する。全てのカットが失敗となっては目も当てられぬ。

<定位置でカワセミの出現を待つ>
定位置でカワセミの出現を待つ

カワセミ撮影では、とにかく根気が必要。
この日は10時から撮影を始めたが、しばらくは何も動きが無かった。
「かわせみの里」のホワイトボードの書き込みによれば、前の日のカワセミ出現回数は3回だったらしい。その日は雨だったせいかと思うが、それでも出現回数の少なさに少々心配になる。

風はあまり強くなかったが、無風というわけでもなく、とにかく寒い。
「かわせみの里」のガラス張り室内からでもカワセミは観察可能だが、我輩はガラス越しよりも少しでも明るい屋外から狙うことを選んだ。
豚児も我輩の隣で三脚を据えてカワセミを待っていたので、「寒いから室内で見てろ」と言ったが「ここでいい」と言ってきかない。ヘナチョコだから、一人で室内にいるのが心細いのだろう。

周りを見ると、カワセミを撮ろうとしている者は近くにはいなかった。
唯一、向こう側の橋の上で三脚を構えている者が目に付いたが、しばらくするといなくなった。どうも周囲のカワセミに対するテンションが低いように感ずるが気のせいか? 別の自然公園では、いつも10人以上のカメラマンたちが巨砲を三脚に据えてカワセミが来るのを待っているのだが。

水元公園内の「メタセコイアの森」は、福島の原子力発電所事故の影響で放射能汚染が著しいと聞いている。実はここに来る前にメタセコイアの森を通ったのだが、その際に手持ちの線量計で測ったところ0.23μSv/時くらいの値が出た。まさか、その影響でカワセミが減ってしまったということは無いだろうな・・・?
改めて、今いる場所で線量を測ってみると、ここでは0.11μSv/時程度であった。まあ、この程度ならば普通か。

(参考:我輩自宅内では1階は0.12μSv/時程度だが、2階は0.18μSv/時くらいもある。これは年間許容量1mSv/年を越え1.6mSv/年にもなる。ちなみに原発事故前は0.03μSv/時であった。なおこの測定器は、つくば市の産業技術総合研究所の放射線測定器とほぼ同じ値を示すことを確認している。)

<放射線測定>
放射線測定

時計を見ると、11時近く。もう1時間経った。少し疲れたので近くのベンチに腰掛けて少し休んだ。
「せめて、1回くらいは来て欲しいなあ」などとボンヤリ考えていた。

すると、「かわせみの里」の職員が顔を出してこちらに何かを言っている。我輩はそちらを見た。
「え?」
「いますよ、カワセミ。今そこに来てます。」
「えっ!」
急いで立ち上がり、職員が指差した方向を見たがすぐには分からなかった。
「えーと、どこだー? 豚児分かるかー?」
「あ、あそこだー!いたいたカワセミだー!」
「ちょっ、コラ、デカい声出すんじゃない。」
見ると、カワセミはいつもの枝にとまっていた。

だがあらかじめセットしてあるフレームからは少し外れていたので、改めて調整した。
さすがに超望遠1000mmだけに、フレームが行き過ぎたり戻ったりでなかなか正しい位置にセット出来ない。しかも慌てているので尚更。

位置を合わせ、とにかくシャッターボタンを押す。
すると、2秒のセルフタイマーが作動。ああ、そうだった。ブレ防止のためセルフタイマーになっていたのを忘れていた。それにしてもこの2秒が長く感ずる。
カワセミは首を回してキョロキョロするので、セルフタイマーの2秒でタイミングが合わない。結局、2枚シャッターを切っただけでカワセミは飛び去ってしまった。

撮影したものを改めて見てみたが、1枚は飛ぶ瞬間でブレて失敗、もう1枚はまあ普通に撮れているようである(その時は分からなかったが、僅かに前ピンだった)。
とりあえず1枚撮れたので少々気が楽になった。

その後しばらく待っていたがやはりなかなか現れず、豚児には「12時になったら引きあげるか」と言っておいた。1枚は撮れたので諦めがつくし、昼食抜きではツラい。
そしてそのまま何も起きずに12時となってしまった。
そろそろ帰ろうとすると、豚児が「もう少し居よう」と言う。「そうか?じゃあ、あと30分」ということでしばらく待った。

動きがあったのは、それから5分後だった。
チーッという鳴き声がして、カワセミがいつもの枝の下のほうにとまった。
急いでカメラを下に向け、ピントを合わせ直す。なかなか中心に捉えられず、ピントを合わせるのに手間取った。今思えば、拡大表示のエリアは移動出来るようだが、その時は中心部しか拡大しないものと思い込んでいた。

セルフタイマーの2秒タイムラグではなかなかタイミングを図るのが難しいが、何枚も何枚も撮り続けることでカバー。
カワセミは獲物を探してあちこちを移動するが、そのたびにカメラの方向を変え、ピントを調節し、2秒のタイムラグシャッターを切るのはなかなか大変であった。

下の写真2点は、その中でも最も良く撮れたものである。
1枚目は、露出もピッタリでRAW現像時にも無理な補正をしていないのでノイズは少なめだが、それでも感度400なりの粗さは隠しようが無い。出来れば感度200で撮れれば良かった。

<LUMIX DMC-GF1/Reflex500mm/ISO400/1/320sec. F8.0>
(※画像クリックで横1200ドットの画像が別ウィンドウで開く)
カワセミ
[ノートリミング]
カワセミ
[等倍切出し]

2枚目の写真は、パンニングする際に少々行き過ぎてしまったものの、修正する間を惜しみそのまま撮影したものである。その後、位置を微調整して何枚か撮ったが、皮肉にもこのカットが一番良く撮れていた。ただしRAW現像時に少々露出を持ち上げたためにノイズはかなり目立っている。
等倍画像を見ると、ピントの芯がきていないようにも見えるし、微少なブレがあるようにも見える。ノイズが邪魔してどちらなのかは判然としない。

<LUMIX DMC-GF1/Reflex500mm/ISO400/1/250sec. F8.0>
(※画像クリックで横1200ドットの画像が別ウィンドウで開く)
カワセミ
[ノートリミング]
カワセミ
[等倍切出し]

さて、何にせよこの撮影でカワセミが撮れたと満足し、帰り支度を始めた。
2本の三脚を畳んで三脚バッグに入れたのだが、畳み方を豚児にレクチャーしていたら時間がかかってしまった。昼食の時間が遅くなる。

何とかして荷物をまとめた後、豚児にはトイレに行ってくるように言い、我輩はトイレ前で待っていた。するとちょうどその時に再びカワセミがやってきたので「えっ」と思った。
トイレに入っている豚児に教えようかと思ったが、焦らせるのもマズいと思い、とにかく豚児のカメラで撮影した。
そうこうしているうち豚児がトイレから出てきたので、撮影していたカメラを渡し、自分は「GF1」とレフレックス500mmで撮影を始めた。

三脚はもうしまってあるので、この場は手持ち撮影するしか無い。だがその状態で画像を拡大するとあまりに映像が揺れるので、とてもマニュアルフォーカスは不可能。そこで「かわせみの里」の室内に入り、ガラス窓にカメラを当てて固定した。これでいくらか揺れが治まり、マニュアルフォーカスが出来るようになった。
ただそうは言っても揺れが止まるのはほんの一瞬程度なので、素早くピントを見切る必要があった。つまり、ほとんど残像に近い映像を頼りに、ピントを合わせたのである。

<LUMIX DMC-GF1/Reflex500mm/ISO400/1/200sec. F8.0>
(※画像クリックで横1200ドットの画像が別ウィンドウで開く)
カワセミ
[ノートリミング]
カワセミ
[等倍切出し]

今回の超望遠撮影は以上であるが、最後に比較として、去年「PENTAX K-x」及び「Nikon D700」で撮影した写真の一部を等倍で切り出し掲載してみた。
「K-x」のほうは、曇りでの撮影ということで、今回の状況と似ている。比較として参考になろうか。

<PENTAX K-x/75-300mm/ISO400/1/180sec. F5.6>
カワセミ
[等倍切出し]

一方、「D700」のほうは晴天下での撮影とかなり恵まれた状況なので、今回の比較としては適当ではないかも知れない。感度も400と、フルサイズにしてはそれほど高くない。
しかしこれほどの好条件であっても他のカメラではなかなかここまでの描写は不可能であろう。等倍表示にしてもノイズが全く見えないのはさすがは低画素のフルサイズカメラである。

<Nikon D700/Reflex500mm/ISO400/1/800sec. F8.0>
カワセミ
[等倍切出し]

●テスト撮影後の感想
光学的にファインダースクリーンへ映像を投影させる一般的な一眼レフカメラでは、アイピースのルーペで拡大してその拡大像を見ているわけだが、それは光学的な投影であるため拡大しても粗く見えるようなことは無い。だから、投影された像のピントを目で確認することが可能である。

ところが液晶に像を写すしか方法の無いミラーレス一眼では、液晶の画素密度が十分でなければピントがあっているかどうかの確認は難しい。ルーペで液晶を拡大しても、画素が拡大されるだけで意味が無い。だから、画像の一部を拡大表示してピントを見ることになる。
しかしそうすると全体が見えなくなるのが悩みだ。

結局のところ、マウントアダプターを介して超望遠レンズをMFで使うには、ミラーレスでは少々無理があると感じた。少なくとも「LUMIX GFシリーズ」では。

ともかく、マイクロフォーサーズ用の接点を備えたレンズならば、MF時はフォーカスリングを回すだけで拡大表示に自動的に切り替わるので便利なのだが、マウントアダプターを介した場合はいちいち拡大表示への切り替えや拡大位置を決めたりなど操作が必要で、その後改めてMFを行うなど、シャッターチャンスが重要な撮影では致命的でさえある。
この点、「OM-D E-M5」では使い易くなっていることを祈りたい。

それにしても、やはりマイクロフォーサーズのセンサーは感度を少しでも上げるとノイズが目立つ。
その弱点を「OM-D E-M5」の新イメージセンサーで払拭してもらえるならば大変助かるし、最も期待するところ。これまで未定だった発売日もようやく3月31日と決まったようで、あと1ヶ月待つことになる。