2000/04/05
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表紙

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カメラ雑文

[845] 2015年06月20日(土)
「デジタルでのモデル撮影会(5&6)〜Gunドル撮影〜」


●きっかけは、3度目の団体撮影

いつものようにいつものスタジオの撮影会スケジュールをチェックしていたところ、団体撮影のほうにR嬢の予定が出ていた。
団体撮影なので衣装はあらかじめ決められているが、今回は以前から撮影してみたいと思っていた衣装「女教師風」が予定されている。平日夜なので、会社帰りで気軽に参加するか。

我輩はこれまで、団体撮影では参加者が1人のケースと、定員めいっぱいの6人のケースを体験した。今回の団体撮影の参加者は何人となるだろうか。
これまでスケジュール表をチェックしてきた経験から、今回の状況で考えると6人になることはまず無かろう。

定員めいっぱいになる要素としては、もちろんモデル嬢の人気度が大きく影響するとは思うが、開催日時、衣装、開催頻度も大きく影響する。

開催日時としては、当然ながら土日曜の開催に参加率が高い。数週間前から予約が入る場合もある。
平日ならば日中は少なく、会社帰りに寄れる夜の時間帯は比較的多くなる。しかしそれでも休日ほどではない。

また衣装については、水着のバリエーションがあると参加率が高くなる。単に肌の露出の問題だけでなく、水着を着ないモデルは衣装のパターンが限られるのですぐに飽きられることもあろう。もちろんスタジオでは衣装は多く用意されているが、撮影側の好き嫌いとモデルの似合う似合わないがあるので、実際に選べる範囲は限定されてくる。だから水着のバリエーションが加われば選択範囲も広がる。

開催頻度については、仮に人気が高いモデルであっても開催回数が多ければ参加者は分散されるし、開催回数が少なければ集中する。普段あまりスケジュールに出ないモデルが現れると一瞬で定員になる状況を何度か見たことがある。

今回スタジオに行ってみると、我輩を含めて参加者は3人だった。主催者のオジさんが「これくらいの人数がちょうど撮り易いよね。」と言ったとおり、確かに撮影はやり易かった。

なおライティングについて、やはり強い定常光と白背景のためにどうしても自分の満足出来るライティングは出来なかった。定常光さえ弱ければ、あるいはカメラのシンクロスピードさえ速ければ何とかなろうが・・・。
そうは言っても現状では仕方ないので、団体撮影は低価格ゆえに今後は新しいモデル嬢の発掘に活用しよう。つまり、気になる新人モデルが登場しない限り、しばらくは団体撮影には参加することは無いと思う。

ところで、スタジオ内には小物の置いてある棚があり、撮影で自由に使っても良いことになっている。
テニスラケット、バット、帽子、メガネ、ピストル、聴診器・・・等々あり、基本的に玩具なのでマジメに演出するような小物ではない。

我輩はその中からピストルを選んでR嬢に持たせて撮ってみようかと一瞬考えたのだが、そこにあるものはモデルガンとさえ呼べないオモチャのピストルだったのでリアル感は皆無で、とても撮る気になれなかった。

ところが参加者のうち1人がその中からピストルをR嬢に持たせて撮り始めた。
他人事ながらも何となく気になって撮影の様子を見ていると、どうもピストルの構え方が難しいらしく、なかなかポーズが決まらないようだ。

<構え方がなっとらん>
※他カメラマン順番時に脇から撮影
構え方がなっとらん

基本的に自分の順番ではない時に出しゃばるのは良くないかと思っているのだが、ピストルの構え方でカメラマンとR嬢が困っている感じだったので、少し遠慮気味に「まず右手だけで構えて、左手はその手を包み込むようにしてみて」と助言した。
すると先ほどよりも幾分マシにはなったものの、それでもヘナチョコな構えが気になって仕方ない。しかし我輩の順番ではないのでそれ以上に首を突っ込むのは避けた。そもそもオモチャ然としたピストルについて、構え方だけこだわることに意味が見出せない。

しかし撮影会終了後、「我輩ならばもっとこのように指導するのだが」という気持ちがモヤモヤと残った。
いっそのこと、1対1撮影で我輩所有のモデルガンを持ち込み、構え方をR嬢に指導しながら撮影しようか。

銃の世界では、"Gunドル"なる存在がある。これは「Gun分野のアイドル」という意味の造語で、銃器雑誌「Arms Magazine」の表紙によく出ている坂地久美嬢が有名。
他にも、釣りの分野やオタク分野にもアイドルがいるらしい。

もちろん、有名人である坂地久美嬢を撮るのは容易ではないし、我輩が「Arms Magazine」と同じ写真を撮れるはずもない(スポンサーが無い状態では装備やシチュエーションを仕立てるのに金がかかり過ぎる)。
そういうわけで今回、R嬢を"にわかGunドル"に仕立て、可能な範囲の演出でどれくらいのリアル感が出せるのか撮影してみたい。インチキGun雑誌に掲載出来るくらいの写真が撮れると面白いが、果たしてどうだろう。

持ち込むモデルガンとしては、主にアサルトライフルを用いるつもりである。ハンドガンも所有しているが、金属モデルガンばかりなのでその金色がサマになるかどうか。
モデルガンの持ち込みとなれば、荷物が増えるので当然ながらクルマで持ち込むことになろう。そうなれば会社帰りというわけにはいかず、土日でなければ難しい。

これまでR嬢は、土日の枠でスケジュールが入ったことは無かった。プライベートな事情は知らないが、土日は都合が悪いのだろうか。
ダメ元ながらも、R嬢のブログに「出来れば土日の枠で1対1撮影を開催して欲しい」とのコメントを入れておいた。すると数日後にR嬢のスケジュールが更新され、土曜日に枠が出来たではないか。早速、その枠に予約を入れた。

なおコスチュームについては、スタジオで用意されている中では銃の似合いそうなものが無くて困った。あるのは、かわいい系とセクシー系ばかり。スポーティーなものは無い。
もちろん、セクシー系で銃を構えるというのも1つの形かも知れないが、それは1990年代のセンスかと思うので避けたい。
結局、Tシャツとジーンズということにしておいた。

なお、坂地久美嬢はいつもポニーテールでスポーティーにキメているので、R嬢への髪形もポニーテールをリクエストした。

●Gunドル撮影当日

当日はクルマ移動ではあるが、駐車場からスタジオまでの歩きは、いくらモデルガンと言えどもライフル銃などを裸で持ち運ぶわけにはいかない。しかし銃ケースなどは持っていない。どうするかと考えながら部屋の中を見回すと、三脚ケースが目に止まった。
ライフルの弾倉と照準を外すと、ちょうどその三脚ケースに収まった。

駐車場はスタジオ最寄りのコインパーキング。スタジオまで歩いて1分ほどの距離なので、少々割高ではあるが今回のような荷物が多い場合は使わざるを得ない。

荷物を抱えてスタジオに入り、いつものようにライティングのセットを行う。久しぶりの1対1の撮影なので、強い定常光に悩まされることが無いのが良い。
銃のほうもケースから出して弾倉と照準をセット。

やがて撮影時刻となり、R嬢が登場。リクエスト通りポニーテールでスポーティーな印象。
今回Gunドル撮影であることは事前にブログにコメントしてあり、早速ハンドガンのほうを手渡した。
金属の塊であるハンドガンはズシリと重く、R嬢は口をOの字にして面食らった表情をした。
「タマ、出るんですか?」と訊くので、「穴がふさがってるから。まあ要するに、銃の形した文鎮。」と言うと、銃口を覗いて納得していた。

まず、ハンドガンの基本的な構えを教えてみた。R嬢はその重さに難儀していたが、その重さゆえシッカリと力を入れて握らざるを得ないので、それはそれでリアル感が出る。軽いものを重そうに演技する必要が無い。実際、重いのだから。

撮影で少々迷ったのが、ピントを合わせるのはモデル嬢のほうか、あるいは銃のほうかという点。
銃雑誌であれば銃が主役なので、当然ながら銃のほうにピントを合わせた写真とする。いやもちろん両方に合わせることもあろうが、少なくとも銃のほうをピンボケにすることは無い。
しかし今回は銃を使うと言っても、あくまでも"Gunドル撮影"。銃のほうはピンボケになるが致し方ない。

<構え方が改善した>
※ピントは顔のほうに合っている
構え方が改善した

ただ、やはり持ち方に慣れていないと指の力加減が不自然となり、教えた通りに構えているのに「何となくおかしいな?」という状態になる。我輩がもう1挺別の銃を使って見本を見せながら教えるのだが、教わるほうも見ただけで再現させるのはなかなか難しい。手取り足取りで教えようにも、「モデル嬢に触れてはいけない」という撮影会の大前提がある。

そうこうしているうち、金属の塊であるモデルガン重さのせいなのか、無意識に銃口が下がってきた。穴が塞がっている分、実銃よりも重いはず。
まあ今回、本題はアサルトライフルのほうとしているので、ハンドガンでの撮影は早々に切り上げることにする。

なお、画像処理で金属モデルガンの金色の彩度を落とすと、M19のステンレス判であるM66の実銃に見えてカッコいい。ステンレス銃は女性に良く似合う。

<画像処理で実銃に見える>
画像処理で実銃に見える

さて、いよいよアサルトライフルでの撮影を始めるわけだが、こちらのほうが大きく見栄えがする。銃床(ストック)を肩に当てれば安定するので、手で持つだけのハンドガンよりも構え易いはず。

撮影の場面設定としては、アサルトライフルは軍用で使われるものであるから、まず思い浮かぶのは戦場シーン。
Gunドル坂地久美嬢は特殊部隊の制服を着たコスプレでアサルトライフルを構える姿がカッコ良かったのだが、さすがに特殊部隊の制服など無いので、ここは「射撃を楽しむ民間人」という場面設定とするか。

R嬢は最初の構えはぎこちなかったものの、我輩が横で別のライフルを構えて指導したところ、大変サマになった。脇をしっかり締めて構えた状態は緊張感があり、なかなか良い。
何しろ、我輩はこのアサルトライフルは自分で構えたことはあるが、他人が構えたところを外から見たのは初めてだった。

ただ、服やグローブの色がライフル本体の色に似ているので、銃本体の輪郭が多少溶け込んでしまっていることは反省点。少なくともTシャツは別の色のほうが良かったか。

<アサルトライフルを構える>
アサルトライフルを構える

なお、いちいち場面設定にこだわることについて、モデル撮影というスタンスで見ればそこまで気にする必要は無いかも知れない。
しかしながら、「Gunドル」は銃があってこそのアイドル。モデル嬢は脇役とまでは言わないが、Gunとそれをとりまくシチュエーションを可能な限りリアルにすることが、結果的にモデル嬢の存在感を引き立たせることになる。そうでなければオモチャの銃を構えるのと変わらない。結果的に安っぽい写真となり、モデル嬢も安っぽく見えてしまう。
改めて最初の写真と比べると、写真としての締まりが全然違うことが判る。

<最初の写真>
最初の写真

ただし今回のこだわり、ベターではあるがベストではない。あくまでも実現可能な範囲の中でこだわったに過ぎず、例えばグローブの代わりに登山用手袋を流用するなど細かい部分では突っ込み所はある。
それに、背景が白一色というのも奥行を感じられず単調だった。背景の工夫次第で写真が大きく変わるかと思うが、それは今後の課題としたい。

いずれにせよ今回は、我輩所有のモデルガンをモデル嬢に構えさせて写真に仕上げたことが新鮮であった。
これらの写真を見るたび、「この銃、なかなかいいな」と思えるようになって嬉しい。

さて最後となるが、今回の撮影写真を別のウェブサイトに掲載したのでこの雑文からリンクする。
この雑文上で写真を直接表示しない理由は、今後のモデル撮影に不都合があろうかと考えたため。それゆえ、別サイトとして分け、この雑文の記事が直接写真と関連を持たない一方通行リンク状態とした。